自宅サロンの物件選びのコツ8選!事前準備のポイントやよくある失敗も解説

自宅サロンの物件選びのコツ8選!事前準備のポイントやよくある失敗も解説

「自宅サロンの物件はどう選べばいい?」

「どんな物件を選ぶのがNG?」

このように思っていませんか。

この記事では、自宅サロンの物件選びのコツや必要な事前準備を解説します。あわせて、物件選びのよくある失敗も紹介します。自宅サロン開業で失敗したくない方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

広田 有利

広田 有利(ヒロタ アリトシ)

美容機器の製造・販売会社「株式会社エクレーヌ」代表取締役。業界最大手脱毛サロンの全店舗や、全国の大手サロンから個人サロンにまで幅広く脱毛機を導入。脱毛サロン運営のサポートも実施している。クライアントは1000社以上・販売台数は2500台以上の実績がある。

自宅サロンの物件選びの事前準備

自宅サロンの物件を選ぶ際は、まずは以下の事前準備を行いましょう。

  • コンセプト・ターゲットを整理する
  • 予算・賃料の目安を決める
  • 希望条件(立地・広さ・駐車場・アクセス・設備)をリスト化する
  • 市場・競合調査を行う

それぞれ解説します。

コンセプト・ターゲットを整理する

物件選びを始める前に、サロンのコンセプトとターゲット層を明確にすることが成功の第一歩です。たとえば「30代女性向けのリラクゼーションサロン」「忙しい主婦向けの時短エステ」など具体的に設定しましょう。

ターゲットが決まれば、必要な立地条件や間取り、雰囲気も自然と見えてきます。高級志向なら静かな住宅街、若年層向けなら駅近など、コンセプトに合わせた物件選びができます。この段階を曖昧にすると物件探しで迷走し、開業後のミスマッチにもつながるため、始めに行いましょう。

予算・賃料の目安を決める

自宅サロンの家賃は売上の10〜15%以内に抑えるのが理想的です。開業資金には敷金・礼金、内装費、機器購入費なども含まれるため、総予算を明確にした上で賃料を逆算してください。

初期費用は家賃の6〜8ヶ月分程度を見込み、開業後6ヶ月間の運転資金も確保しておくと安心です。また、売上が安定するまでの期間を考慮し、無理のない賃料設定も重要です。金融機関の融資を検討する場合は、事業計画書に基づいた現実的な予算組みを行いましょう。

希望条件(立地・広さ・駐車場・アクセス・設備)をリスト化する

希望条件(立地・広さ・駐車場・アクセス・設備)をリスト化する

物件探しを効率化するため、必須条件と希望条件を分けてリスト化しましょう。必須条件には「サロン利用可」「最寄駅から徒歩10分以内」「施術スペース8畳以上」など譲れない項目を記載します。

希望条件には「駐車場あり」「築10年以内」「角部屋」など優先度が高いものの妥協可能な項目を挙げます。すべての条件を満たす物件は見つかりにくいため、優先順位を明確にしておくことで判断がスムーズになり、効率的で抜け漏れのない物件探しが可能です。

市場・競合調査を行う

出店予定エリアの市場調査と競合分析は、物件選びの重要な判断材料となります。半径2km圏内の同業サロン数や価格帯、サービス内容を調査し、競合が少なく需要のあるエリアを見極めましょう。

加えて、人口動態や世帯構成も確認し、ターゲット層が多く住むエリアを選定します。商圏分析ツールやGoogleマップのレビュー機能を活用すると効率的です。

競合が多すぎるエリアは避けつつ、全くいない場所も需要がない可能性があるため、適度な競合がいるエリアが理想的です。

自宅サロンの物件選びのコツ8選

自宅サロンの物件選びのコツ8選

押さえておきたい自宅サロンの物件選びのコツは、以下の8つです。

  • 「サロン利用可」か契約前に必ず確認する
  • ターゲットに合った立地を選ぶ
  • 家賃と収支バランスを見定める
  • 物件タイプ(マンション・一戸建て・戸建賃貸)の特徴を把握しておく
  • 現地内見では生活感とサロン感のバランスをチェックする
  • 設備・スペック(電気容量・換気・水回り・音吸収)を確認する
  • 駐車場・駐輪場・アクセスの利便性を確認
  • 契約条件・退去条件を明確にする

ひとつずつ解説します。

「サロン利用可」か契約前に必ず確認する

賃貸物件の多くは「住居専用」契約となっており、事業利用が禁止されています。口頭での了承だけでは後々トラブルになる可能性があるため、必ず契約前に大家さんや管理会社に「自宅サロンとして営業したい」と明確に伝え、書面で許可を得ることが重要です。

「SOHO可」「事業利用可」と記載された物件を探すか、不動産会社に自宅サロン開業の意向を伝えて物件を紹介してもらいましょう。無許可で営業すると契約違反で強制退去になるリスクがあるため注意が必要です。

ターゲットに合った立地を選ぶ

ターゲット層のライフスタイルに合わせた立地選びが、集客の鍵となります。働く女性向けなら駅近や商業施設周辺、主婦層向けなら住宅街で駐車場完備、シニア層向けならバリアフリーでバス停近くなど、顧客の動線を考慮しましょう。

自宅サロンは看板を出せない場合が多いため、口コミやSNSで認知されやすいエリアを選ぶことも大切です。また、ターゲットが「隠れ家的サロン」を求めているなら静かな住宅街、利便性重視なら駅近と使い分けましょう。

家賃と収支バランスを見定める

家賃と収支バランスを見定める

家賃は固定費の中で最も大きな割合を占めるため、売上予測に基づいた慎重な判断が求められます。開業初期は集客に時間がかかるため、売上が少なくても支払える賃料設定が重要です。損益分岐点を計算し、何人の顧客を獲得すれば黒字になるかを明確にしておきましょう。

また、好立地で高家賃の物件よりも、適正な家賃で確実に利益が出せる物件を選ぶことが長期的な経営安定につながります。

物件タイプ(マンション・一戸建て・戸建賃貸)の特徴を把握しておく

物件タイプ(マンション・一戸建て・戸建賃貸)を押さえておくことも、自分に合ったサロン経営を行うために重要です。マンションは初期費用が抑えられセキュリティも安心ですが、生活音や施術音が隣室に響く可能性があります。

一方で、戸建賃貸は独立性と柔軟性のバランスが良く、駐車場も確保しやすいため自宅サロンに最適です。

それぞれのメリット・デメリットを理解し、予算やサロンの規模、将来の展望に合わせて最適な物件タイプを選択しましょう。

現地内見では生活感とサロン感のバランスをチェックする

内見時は、写真や図面だけでは分からない実際の雰囲気や動線を確認しましょう。玄関から施術スペースまでの導線やプライベート空間との区切り、採光や風通しなどをチェックしましょう。

生活感を完全に排除できるか、または上手に調和させられるかも重要です。顧客目線で「このサロンに通いたいか」を考え、清潔感や居心地の良さを重視しましょう。ポイントとして、複数回、異なる時間帯に訪問すると周辺環境の実態が把握できます。

設備・スペック(電気容量・換気・水回り・音吸収)を確認する

設備・スペック(電気容量・換気・水回り・音吸収)を確認する

サロンでは脱毛機や空調設備を使用するため、電気容量が十分か確認しましょう。換気設備は施術中の快適性に直結するため、窓の位置や換気扇の有無をチェックします。脱毛サロンなら電気容量も重要で、脱毛機を使用できるかも事前に把握しておかなければなりません。

防音性能は近隣トラブル防止のために必須で、壁の厚さや床の材質、二重窓などの防音対策がされているか確認してください。

駐車場・駐輪・アクセスの利便性を確認

車で来店する顧客が多い場合、駐車場の有無は集客に大きく影響します。物件に駐車場がない場合は近隣のコインパーキング情報を調べ、顧客に案内できるようにしましょう。自転車やベビーカーでの来店を想定するなら、駐輪スペースや入口の段差も確認が必要です。

最寄駅からの道順やバス停の位置、周辺の目印となる建物なども把握し、顧客への案内に活用しましょう。夜間営業を考えている場合は、街灯の有無や人通りなど安全面も大切です。

契約条件・退去条件を明確にする

賃貸契約書は細部まで確認し、特に原状回復義務や解約予告期間、更新料などの条件を把握しましょう。サロン利用に伴う内装変更が可能か、退去時の原状回復範囲はどこまでか明確にしておくと安心です。

また、敷金・礼金・保証金の扱い、契約期間の縛り、中途解約時の違約金なども重要な確認事項です。将来的に事業拡大で移転する可能性も考慮し、柔軟性のある契約条件を選びましょう。

自宅サロンの物件選びでよくある失敗

自宅サロンの物件選びでよくある失敗が、以下の4つです。

  • 競合を見ずに出店して集客が伸び悩んだ
  • 住宅専用契約でサロン営業がNGとなった
  • 家賃が売上を圧迫して運転資金が不足する
  • 設備が住宅仕様で機器が設置できなかった・動線が悪かった

それぞれ解説します。

競合を見ずに出店して集客が伸び悩んだ

周辺の競合調査を怠り、同業サロンが密集しているエリアに出店して顧客獲得に苦戦するケースは珍しくありません。その結果、価格競争に巻き込まれたり、既存サロンの固定客が多く新規参入が困難だったりします。

一方で、競合が全くいないエリアは需要自体がない可能性もあります。そのため、事前に商圏分析を行い、適度な競合がいながらも差別化できるエリアを選定することが重要です。

ターゲット層の人口密度や競合の価格帯、サービス内容を把握し、戦略的に立地を選びましょう。

住宅専用契約でサロン営業がNGとなった

契約時に事業利用について確認せず、開業後に大家さんや管理会社から営業停止を求められるトラブルも少なくありません。SNSでの集客や口コミが広がり、不特定多数の出入りが増えたことで発覚するケースもあります。

住宅専用物件での無断営業は契約違反となり、最悪の場合は即時退去や損害賠償を請求される可能性があります。必ず契約前に「自宅サロンとして利用する」ことを明示し、書面で許可を得ましょう。

家賃が売上を圧迫して運転資金が不足する

家賃が売上を圧迫して運転資金が不足する

自宅サロン運営では、立地重視で家賃の高い物件を選んだ結果、固定費が売上を上回り赤字経営に陥るケースが多発しています。開業初期は予想より集客が少なく、十分な収益を得られないことも珍しくありません。

それでも高い物件を借り続けると、利益確保が困難になり、運転資金が底をついて廃業に追い込まれてしまいます。立地の良さは集客に有利ですが、家賃が高すぎると本末転倒です。売上が安定するまでの期間を考慮し、無理のない賃料設定が成功の鍵となります。

設備が住宅仕様で機器が設置できなかった・動線が悪かった

自宅サロン経営では、電気容量不足で美容機器が使えない、水回りが遠くて施術に支障が出る、間取りが悪く施術スペースとプライベート空間の区別ができないなど、設備面での失敗が目立ちます。

内見時に図面だけで判断し、実際の動線や使い勝手を確認しなかったことが原因です。エアコンの位置や数、コンセントの配置、収納スペースの有無なども営業に影響します。

必ず現地で施術のシミュレーションを行い、顧客の動線とスタッフの作業効率を具体的にイメージしましょう。

自宅サロンの物件選びに関するよくある質問

自宅サロンの物件選びに関するよくある質問

自宅サロンの物件選びに関するよくある質問も紹介します。

  • 自宅サロンの開業の流れは?
  • 自宅サロンが違法になるケースは?
  • 自宅サロンの成功例は?

それぞれ見ていきましょう。

自宅サロンの開業の流れは?

自宅サロン開業は、以下の流れで進めます。

  1. サロンのコンセプトを決める
  2. 事業計画書を作成する
  3. 開業資金を準備する
  4. 許可や​​届出を​​申請する
  5. 内装や備品を準備する
  6. 自店舗に合った集客施策を行う

まずサロンのコンセプト決めと事業計画の計画を行い、物件の家賃も加味した必要資金を算出します。物件契約後は届け出を行い、内装や必要な美容機器や備品を揃えましょう。同時にSNSアカウント開設やホームページ制作など集客準備を進めます。

詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:自宅サロンの開業手順は?開業のメリットや成功させるためのポイントも解説

自宅サロンが違法になるケースは?

自宅サロンが違法になるケースとして、以下が挙げられます。

  • 賃貸借契約の違反
  • 消防法の違反
  • 建築基準法の違反
  • 税金に関する違反

住宅専用物件で無断営業する、必要な資格や届出なしで営業する、建築基準法や消防法に違反するなどのケースが違法となります。また、分譲マンションの管理規約で営業が禁止されている場合も注意が必要です。詳しくは、以下をご覧ください。

参考記事:自宅サロンが違法になるケースは?トラブルになる事例と対処法を解説

自宅サロンの成功例は?

自宅サロンの成功例として、以下が挙げられます。

  • SNSを活用した集客による新規顧客の獲得
  • クーポンの配布や口コミキャンペーンによるリピーターの確保
  • 若年層やメンズ向けの脱毛メニューの提供による売上増加

成功の共通点は、明確なコンセプトやターゲット層への的確なアプローチ、口コミ重視の誠実な接客、SNSでの情報発信などです。加えて、無理のない家賃で始め、段階的に事業を拡大する戦略が成功につながっています。

参考記事:自宅サロンの成功例3選!失敗する理由や経営を成功させるポイントを解説

CUBE DUO/PROなら自宅サロン開業のアドバイスがもらえる

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この記事では、自宅サロンの物件選びのコツや必要な事前準備、物件選びのよくある失敗を紹介しました。

特にまだ十分な収益基盤が整っていない段階では、家賃が大きな負担となる可能性があるため、物件選びは重要です。

とはいえ、はじめて自宅サロンを経営する方のなかには「一人で適切な物件を選べるか不安」と思っている方も多いでしょう。そんな方には、CUBE DUO/PROのサポートの利用がおすすめです。

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