脱毛サロンの倒産一覧!その理由と破産しないためにできることも解説
脱毛サロン
「今から脱毛サロンを開業して大丈夫?」
「安定した経営を実現するためにやるべきことを知りたい」
このように思っていませんか。
近年、脱毛サロンの倒産・破産が多く見られることから、開業・経営するうえで不安に感じている方は多いでしょう。
この記事では、近年の脱毛サロンの倒産状況や倒産一覧を紹介します。あわせて、破産・倒産させないために取り組むべきことも紹介します。脱毛サロンの開業を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
この記事の監修者
広田 有利(ヒロタ アリトシ)
美容機器の製造・販売会社「株式会社エクレーヌ」代表取締役。業界最大手脱毛サロンの全店舗や、全国の大手サロンから個人サロンにまで幅広く脱毛機を導入。脱毛サロン運営のサポートも実施している。クライアントは1000社以上・販売台数は2500台以上の実績がある。
SNS近年の脱毛サロンの倒産状況
まずは、近年の脱毛サロンの倒産状況を紹介します。東京商工リサーチによると、2023年度のエステティック業の倒産(負債1,000万円以上)は、95件(前年度比69.6%増)と前年度の1.7倍に急増しました。
参考:東京商工リサーチ
原因としては「販売不振」が77件(構成比81.0%)と8割を占め、コロナ禍から客足が戻らず、業績が回復しないまま事業継続を断念したケースが多いとのことでした。
また、倒産した脱毛サロンには、利用者が10万人に及ぶ「銀座カラー」経営の株式会社エム・シーネットワークスジャパンもいたことから社会問題化もしました。以降では、倒産・破産した大手脱毛サロンを一覧で紹介します。
倒産・破産した大手脱毛サロン一覧
倒産・破産した主な大手脱毛サロンは、以下の通りです。
以降では、直近の数年で倒産・破産した脱毛サロンを紹介します。
【2023年】銀座カラー
脱毛サロン「銀座カラー」を運営していた株式会社エム・シーネットワークスジャパンは、2023年12月15日付で東京地方裁判所に対して破産手続開始を申し立て、同日付で同
裁判所から破産手続開始決定が発令されました。
全国に約50店舗を構え、2020年4月期の売上高は125億円を計上していましたが、2021年4月期には11億7533万円の最終赤字を計上し債務超過となっていました。
その後、業績を回復できず、破産に至っています。銀座カラーは多くの会員を抱えた大手脱毛サロンだったため、当時は大きなニュースとなりました。
【2023年】シースリー
脱毛サロン「シースリー」を運営していた株式会社ビューティースリーは、2023年9月25日に東京地裁に自己破産を申請し、同日に破産手続き開始決定を受けました。
関東圏を中心に全国63店舗を展開していた「シースリー」の負債総額は、帝国データによると約80億円で、債権者は約4万6000人に上りました。これは脱毛サロンの倒産では過去3番目の大きさです。
【2022年】脱毛ラボ
脱毛サロン「脱毛ラボ」を運営する株式会社セドナエンタープライズは、2022年8月26日に東京地裁から破産手続きの開始決定を受けました。
帝国データバンクによると、負債総額は約60億円で、債権者は施術の前売り券を購入した顧客を中心に約3万人に上りました。
また、セドナエンタープライズは家庭用脱毛機の宣伝を巡り消費者庁から同年3月に景品表示法違反(有利誤認)に当たるとして再発防止命令を受けており、このことも破産に影響したと考えられています。
倒産・破産する脱毛サロンが増えている理由は?
脱毛サロンによって倒産・破産する理由はさまざまですが、主に以下の理由が挙げられます。
- ライバル店の増加で十分な集客ができていないから
- 売上・経費の把握ができていないから
- 医師法に違反したから
それぞれの理由について解説します。これから脱毛サロンを開業する方は、安定した経営を実現するためにも、ポイントを押さえておきましょう。
ライバル店の増加で十分な集客ができていないから
近年の脱毛サロン市場は、大手チェーン店だけでなく、個人経営の小規模サロンの新規参入が相次いでいます
特に都市部では、駅前や繁華街に複数の脱毛サロンが集中しており、価格競争が激化しています。その結果、集客が十分に行えず客単価も低下し、採算が取れない店舗も少なくありません。
このような状態が続いてしまうと、利益が残せずに破産・倒産してしまうのです。
売上・経費の把握ができていないから
脱毛サロンの経営において大切なのが、適切な財務管理です。しかし、多くの経営者はエステティシャンとしての経験はあっても、経営管理の知識が不足しているケースが多く見られます。
特に問題となるのが、売上と経費の把握が不十分なことです。月額の会員制や分割払いの導入により、キャッシュフローが複雑化している上、固定費などの経費も適切に管理できていないケースが多いです。
その結果、気づいた時には資金繰りが悪化しているというパターンが頻発しています。
医師法に違反したから
脱毛サロンが提供できるのは、美容脱毛の範囲内のサービスに限られています。しかし、一部のサロンでは医療機関でしか行えない医療脱毛に近いサービスを提供したり、効果を過度に謳ったりして医師法違反に問われるケースが発生しています。
このような違反が発覚すると、営業停止処分を受けるだけでなく、補償問題や風評被害により経営が立ち行かなくなることもあります。
また、SNSでの拡散により短期間で評判が悪化し、集客に深刻な影響を与えることも少なくありません。
「永久通い放題プラン」は頭打ちになりやすいため注意が必要
多くの脱毛サロンが導入している「永久通い放題プラン」ですが、初期の売上は確保できるものの、来店頻度の高い顧客がいた場合、収益を圧迫する要因となります。
例えば、総額30万円の「永久通い放題プラン」のケースだと、契約者が何度施術を受けても、それ以上の売り上げは発生しません。
その一方で、従業員の人件費や光熱費などの固定費は継続して発生するため、新規顧客の獲得が鈍化すると一気に経営が悪化してしまいます。解約や返金要求のリスクも考慮する必要があり、永久通い放題プランの採用には慎重な判断が求められます。
脱毛サロンを倒産・破産させないために取り組むべきこと
脱毛サロンを倒産・破産させないために取り組むべきことは、以下の4つです。
- 広告などを利用した継続的な集客
- 適正価格でのサービス提供
- 顧客とのトラブルが発生しないような運営
- 高性能な業務用脱毛機の選定
ひとつずつ解説します。これらを実践すれば、安定した経営基盤の構築に近づけます。
広告などを利用した継続的な集客
脱毛サロンの経営を安定させるためには、継続的な新規顧客の獲得が不可欠です。そのためには、Web広告やSNS、チラシなど複数の広告媒体を効果的に組み合わせた集客戦略が重要となります。
特に、検索エンジンでの上位表示を狙ったSEO対策やWeb広告を活用した集客は、若い層をターゲットとする脱毛サロンにとって効果的です。既存顧客からの紹介制度を整備し、口コミによる集客も強化すれば、広告費用の削減にもつながるでしょう。
脱毛サロンにおすすめの広告手法は、以下の記事で解説しているのでぜひ参考にしてください。
参考記事:脱毛サロンの広告・集客手法9選!作成する上で要注意な法律も解説
適正価格でのサービス提供
過度な価格競争に巻き込まれることなく、適正な価格でサービスを提供することも重要です。原価計算をしっかりと行い、人件費や光熱費、機器のメンテナンス費用なども考慮したうえで持続可能な価格設定を行いましょう。
また、顧客のニーズに合わせた複数のプランを用意し、必要に応じて期間限定キャンペーンなども実施することで、価格競争力を維持しながらも収益性を確保することが可能です。
顧客とのトラブルが発生しないような運営
脱毛サロンでは、効果や料金、施術内容に関する顧客とのトラブルが発生することが少なくありません。顧客とのトラブルを防ぐためには、まず契約内容や施術の効果、リスクについて事前に丁寧な説明を行うことが重要です。
また、カウンセリングの際には必ず書面での説明を行い、同意を得るようにしましょう。施術後のアフターケアや不満への対応も迅速に行い、トラブルの早期解決を図ることで評判の低下を防げます。
参考記事:脱毛サロンで起こるトラブルは?事例や運営上の防止策・対処法を解説
高性能な業務用脱毛機の選定
脱毛サロンのサービス品質を左右する重要な要素のひとつが、業務用脱毛機です。最新の高性能な脱毛機は施術効果が高く、施術時間も短縮できるため、長期的には経営効率の向上につながります。
また、痛みが少なく安全性の高い機器を選べば、顧客満足度の向上やリピート率の上昇も期待できるでしょう。ただし、機器の選定では、メーカーのサポート体制やメンテナンス費用なども含めて総合的に検討することが重要です。
業務用脱毛機を選定する際は、複数の脱毛機を比較・検討してみてください。
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