脱毛サロンの初回荒らしに効果的な3つの対策方法と注意点を解説
脱毛サロン

「脱毛サロンの初回荒らしとはどんなもの?」
「どうすれば初回荒らしを防止できるの?」
このように思っていませんか。
特に脱毛サロンの開業を検討している方や、初回荒らしに悩んでいる方は、対策方法がないか気になっているはず。
この記事では、脱毛サロンの初回荒らしの概要や、頻発している理由を紹介します。あわせて、初回荒らしの対策方法や注意点も解説します。初回荒らしに悩んでいる方や、これから脱毛サロンを開業する方は、ぜひ参考にしてください。
目次
この記事の監修者

広田 有利(ヒロタ アリトシ)
美容機器の製造・販売会社「株式会社エクレーヌ」代表取締役。業界最大手脱毛サロンの全店舗や、全国の大手サロンから個人サロンにまで幅広く脱毛機を導入。脱毛サロン運営のサポートも実施している。クライアントは1000社以上・販売台数は2500台以上の実績がある。
SNS脱毛サロンの初回荒らしとは?

脱毛サロンの「初回荒らし」とは、複数の脱毛サロンの初回限定キャンペーンや格安体験コースだけを利用し、その後の契約をせずに別のサロンへ移動する顧客の行為を指します。
多くの脱毛サロンでは、新規顧客の獲得のために初回限定で大幅割引や無料キャンペーンを実施していますが、それらを転々と利用する人が増えています。サロン側は継続的な契約を見込んで割引価格で提供しているため、初回のみの利用では損失となることが多いです。
特に人気部位は初回特典の対象になりやすく、これらのみを各サロンで受けていく「はしご」行為が問題視されています。サロン経営者にとっては顧客獲得コストが回収できず、長期的な経営に支障をきたす可能性があるため、業界全体の課題となっているのが現状です。
脱毛サロンの初回荒らしが多い理由

脱毛サロンの初回荒らしが多い理由には、主に以下の3つが挙げられます。
- 初回のみ安く脱毛ができるサロンが増えているから
- コース契約よりもお得に施術を受けられるから
- 脱毛業界は価格勝負になりがちだから
それぞれ解説するので、初回荒らしを防ぎたい経営者は、傾向を把握しておきましょう。傾向がわかっていれば、効果的な対策を実施しやすくなります。
初回のみ安く脱毛ができるサロンが増えているから
一つ目の理由に、初回のみ安く脱毛ができるサロンが増えている点が挙げられます。近年、脱毛市場の競争激化により、新規顧客を獲得するための初回限定キャンペーンを実施するサロンが急増しています。
特に大手チェーンサロンでは、資本力を活かした攻撃的な価格戦略を展開しており、中小サロンもこれに追随せざるを得ない状況です。
また、新規オープンするサロンも多く、それぞれが集客のために初回特典を競い合ったことで都市部では半径数キロ内に複数のサロンが存在するケースも珍しくありません。これにより、顧客が初回荒らしをしやすい環境が整ってしまっているのです。
コース契約よりもお得に施術を受けられるから
複数のサロンの初回キャンペーンを利用する「初回荒らし」は、単一のサロンでコース契約するよりも経済的にメリットがあります。
例えば髭脱毛の場合、一般的に10万円(10回程度の通院)の費用が必要ですが、初回1,000円程度のサロンを10店舗はしごすれば総額10,000円ほどで同等の施術が受けられる計算になります。
特に学生や若年層の顧客にとっては、この価格で脱毛ができるのは大きなメリットです。また、コース契約では解約時のキャンセル料や通い続ける義務が発生しますが、初回のみの利用では一切のリスクや束縛がありません。
さらに、サロンごとに微妙に異なる施術方法や設備を比較検討できるという副次的なメリットもあり、顧客にとって合理的な選択となっているのです。
脱毛業界は価格勝負になりがちだから
脱毛業界は参入障壁が比較的低く、新規サロンが次々とオープンする状況が続いています。その結果、各サロンの差別化が難しくなり、価格競争に陥りやすい構造となっています。
特に脱毛未経験の顧客は、脱毛の質やサービスの違いを判断できないため、わかりやすい「価格」でサロンを選ぶ傾向が強いです。さらに、インターネットの普及により価格比較が容易になったことで、最安値を求める消費者心理が加速しています。
結果として「初回だけ安い」というビジネスモデルが業界標準となり、初回荒らしを誘発する環境が形成されているのです。
脱毛サロンの初回荒らしをするお客様の心理

脱毛サロンの初回荒らしをするお客様の心理としては、以下の2つが考えられます。
- とにかく安い料金で脱毛を受けたい
- 脱毛が初めてで試しに受けてみたい
それぞれ詳しく解説します。
とにかく安い料金で脱毛を受けたい
初回荒らしをする顧客の最も大きな動機は、限られた予算で最大限の脱毛効果を得たいという経済的な理由です。特に学生や新社会人などの若年層は、美容への関心は高いものの経済的余裕が少ないため、賢く節約したいという心理が働きます。
また、「損をしたくない」という心理も影響しており、高額なコース契約をして後悔するくらいなら手間がかかっても確実に安く済む方法を選びたいと考えます。さらに、初回荒らしを「賢い消費者行動」と正当化する風潮もあり、罪悪感なく実践されているのが実態です。
脱毛が初めてで試しに受けてみたい
初めて脱毛を検討する顧客は、施術の痛みや効果、サロンの雰囲気など多くの不安を抱えています。そのため、高額なコース契約をする前に、まずは低リスクで体験したいという心理が強く働きます。
初回キャンペーンはこうした「お試し」ニーズに完璧にマッチしており、さまざまなサロンを比較検討する手段として活用されているのが現状です。また、自分の肌質や毛質に合うサロンを見つけたいという理由もあるでしょう。
脱毛効果は個人差が大きく、同じサロンでも満足度に差が出るため、複数のサロンで試してから契約するという合理的な判断とも言えます。
脱毛サロンが初回荒らしを防止する対策方法

脱毛サロンが初回荒らしを防止する対策方法として、以下の3つが効果的です。
- ターゲットを絞って集客をする
- コースプランだけでなく都度払いプランも設ける
- 初回カウンセリング時に通い続けるメリットを説明する
それぞれ解説するので、初回荒らしを防ぎたい方はぜひ参考にしてください。
ターゲットを絞って集客をする
初回荒らし対策として効果的なのが、ターゲット顧客を明確に設定し、そのニーズに特化した集客戦略を展開することです。例えば、主婦層をターゲットにするなら子連れOKの環境やキッズスペースの設置、平日昼間の特別割引などが効果的です。
20代OL向けなら、仕事帰りに通いやすい夜間営業や駅近立地をアピールするといった具合に、価格以外の価値を前面に出すことで単に安さだけを求める顧客との差別化ができます。
また、地域密着型のサロンであれば、地元住民限定の特典や紹介制度を設けることで、継続利用する可能性の高い顧客層を集めることができるでしょう。
このように、サロン独自の強みを活かせる顧客をターゲットにすることで、継続的に利用してくれる可能性が高まります。その結果、顧客満足度が高まり、初回荒らしの防止につながります。
コースプランだけでなく都度払いプランも設ける
従来の脱毛サロンは高額なコース契約が主流でしたが、これが顧客の心理的ハードルとなり、初回荒らしの一因となっていました。そこで効果的なのが、コース契約と並行して魅力的な都度払いプランを提供することです。
都度払いオプションがあれば、契約への不安から初回だけ利用しようとする顧客も、気に入れば次回も同じサロンを選ぶ可能性が高まります。価格設定としては、初回キャンペーン価格と通常料金の中間程度にすることで、初回後も継続しやすい環境を作れます。
また、回数券タイプや月額制プランなど、選択肢を増やすことも有効です。特に最近人気の「月額制脱毛」は、継続するほどお得になる仕組みで、顧客の長期利用を自然に促進します。
初回カウンセリング時に通い続けるメリットを説明する
初回荒らしを防止するには、カウンセリング時の説明内容が重要です。まず、脱毛は1回では効果が限定的であり、複数回の施術が必要なことを科学的根拠と共に説明しましょう。
具体的には、毛周期や毛の生え変わりのメカニズム、そして継続施術による効果の違いを写真やイラストを使って視覚的に伝えることが効果的です。
また、同じスタッフが担当することによる施術の質の向上や肌トラブル時の対応のしやすさなど、同一サロンに通い続けることの具体的メリットを伝えましょう。
さらに、長期顧客向けの特典プログラム(アフターケア商品のプレゼント、友人紹介割引など)を紹介し、継続利用の魅力を高めることも有効です。そのため、顧客は初回だけの利用に留まらず、リピーターになる可能性が高まります。
初回荒らしの対策における注意点

脱毛サロンの経営者は、初回荒らしの対策方法とあわせて、以下の注意点も把握しておきましょう。
- 通常料金は下げない
- 個人情報の管理を徹底する
上記を押さえておくことで、より安定した経営基盤を築きやすくなります。
通常料金は下げない
初回荒らし対策として注意すべき点は、通常料金の値下げ競争に陥らないことです。競合サロンに対抗して通常料金を下げ始めると、利益率の低下を招き、サービス品質の維持が困難になります。
重要なのは、通常料金を適正に保ちながら、その価格に見合う独自の価値を創出することです。例えば、最新の脱毛機器への投資やスタッフの技術研修の充実、アフターケアサービスの拡充などの目に見える形で差別化を図りましょう。
また、料金体系をシンプルで透明性の高いものにし、「わかりやすさ」を訴求することも、信頼獲得につながります。価格競争ではなく、価値競争にシフトすることが、健全な顧客層の獲得と事業の持続可能性を両立させる鍵となります。
個人情報の管理を徹底する
初回荒らし対策として個人情報管理の徹底も重要です。一部のサロンでは同一人物の重複利用を防ぐために顧客データベースを構築していますが、運用には細心の注意が必要です。
まず、個人情報保護法に完全に準拠した情報収集と管理体制を整え、プライバシーポリシーを明確に提示することが基本です。また、収集する情報は必要最小限にとどめ、過剰な情報要求はかえって顧客の警戒心を高める点に注意しましょう。
スタッフ教育も重要で、情報漏洩のリスクと責任について定期的な研修を実施することが望ましいでしょう。
初回荒らしに困ったらプロへの相談がおすすめ

脱毛サロンが初回荒らし問題に直面した際や、これから開業する場合は、美容業界に特化したコンサルタントやマーケティング専門家への相談が効果的です。専門家は業界全体の動向を把握しており、成功事例や失敗例を踏まえた具体的なアドバイスが期待できます。
また、業界団体のセミナーや研修プログラムへの参加も有益で、同じ課題を持つサロン経営者との情報交換の場となります。特にサロンの経営に不安を感じている方は、ぜひ活用してみてください。
