脱毛サロンで起こるトラブルは?事例や運営上の防止策・対処法を解説

脱毛サロンで起こるトラブルは?事例や運営上の防止策・対処法を解説

「脱毛サロンのトラブルにはどんなものがある?」

「トラブルを回避するにはどうしたらいい?」

などと思っていませんか。

脱毛サロンに限らず、顧客とのトラブルは、以降の運営に大きな影響を及ぼします。関係に亀裂が入った顧客がリピートしない可能性は高く、悪い口コミが広がってしまうと、新規顧客の獲得も困難になります。

この記事では、そんな脱毛サロンで起こり得るトラブルの事例や、トラブルが起こってしまった場合の対処法を解説します。あわせて、トラブルを回避するためのコツも紹介します。

顧客との信頼関係を構築し、安定した運営基盤を築きたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

この記事の監修者

広田 有利

広田 有利(ヒロタ アリトシ)

美容機器の製造・販売会社「株式会社エクレーヌ」代表取締役。業界最大手脱毛サロンの全店舗や、全国の大手サロンから個人サロンにまで幅広く脱毛機を導入。脱毛サロン運営のサポートも実施している。クライアントは1000社以上・販売台数は2500台以上の実績がある。

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【前提】脱毛サロン経営においてトラブルのリスクは避けられない

【前提】脱毛サロン経営においてトラブルのリスクは避けられない

まず、前提として、脱毛サロンの経営において顧客とのトラブルを完全に避けることは困難です。これは、施術が人の身体に直接関わるサービスであり、個人差による予期せぬ反応が起こり得るためです。

また、長期間の利用が必要なサービスであることから、予約管理や料金システムなどさまざまな面でトラブルが発生するリスクがあります。しかし、これらのリスクを認識し、適切な対策を講じることで多くのトラブルを未然に防げます。

重要なのは、起こり得るトラブルを想定し、予防策と対応策を事前に準備しておくことです。

脱毛サロンのトラブル事例【国民生活センターへの相談増加中】

脱毛サロンのトラブル事例【国民生活センターへの相談増加中】

次に、独立行政法人国民生活センターに寄せられた脱毛サロンのトラブル事例を紹介します。特にトラブル事例として多いのが、以下のような契約や料金に関する内容です。

  • カウンセリングだけのつもりが高額な契約をしてしまった
  • 広告と異なる料金を提示された

それぞれひとつずつ解説するので、脱毛サロンのトラブルの実態を把握するためにも、参考にしてください。

カウンセリングだけのつもりが高額な契約をしてしまった

以下は、カウンセリングだけのつもりが、脱毛サロンのカウンセラーからのセールスに断れず、40万円のコースを契約してしまった事例です。

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SNS広告を見て、無料カウンセリングだけのつもりで脱毛サロンに来店した。すぐに個室に案内され、コース契約の説明が始まった。断れる雰囲気ではなく、総額は高額ではあったが1カ月1万円なら支払えない金額ではないと思った。また、学生だが、長期休みの間はたくさんアルバイトが出来るので大丈夫と説得され、約40万円のコースを4年払いのローンを組んで契約してしまった。

引用:独立行政法人国民生活センター

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個室での押しの強いセールスに断りづらくなったり、分割払いなら払いやすいといった謳い文句から契約してしまい、時間が経ってから「やっぱり契約すべきじゃなかった」と顧客が後悔するケースはよく見られます。

脱毛サロン側は、契約を取りたいがあまり過剰なセールスをしがちですが、後にトラブルに発展することが多いため注意が必要です。

広告と異なる料金を提示された

2つ目が「広告と異なる料金を提示された」という事例です。

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SNSで「ひげ脱毛が月額約1,000円、全身脱毛が約3,000円」とうたう広告が表示され、エステ事業者のサイトで予約をした。エステサロンに行くと、ひげや脱毛をしたい部分を選べる約50万円のコースを勧められた。高額だったため、広告掲載のひげ脱毛を受けたいと申し出たところ、「納得のいく脱毛をする場合は、これぐらいの料金がかかる」と言われ、契約した。クレジットの分割払いは36回払いで、分割手数料が付いて総額約60万円だった。大学生のため支払っていくことが難しい。クーリング・オフしたい。

引用:独立行政法人国民生活センター

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脱毛サロン側は、集客のために広告で「無料」や「0円」といった文言を使いがちです。これらは完全な嘘ではありませんが、多くの場合、無料で施術を受けるには条件や制限が付いています。

しかし、顧客が無料だと誤解した状態で契約し、その後トラブルに発展するケースは珍しくありません。そのため、これから広告を出したいと思っている方は、トラブルに発展しないためにも顧客が誤解しないような言い回し・表現を意識しましょう。

次に、脱毛サロン経営におけるトラブルのリスクを、ジャンルごとに紹介します。

脱毛サロンの料金・契約関連のトラブル

脱毛サロンの料金・契約関連のトラブル

脱毛サロンで最も多いトラブルが、料金や契約に関するものです。例えば「説明された料金と実際の請求額が違う」「途中解約したいのに違約金が高額」といった声が後を絶ちません。

トラブルの原因は、説明不足による認識の相違がほとんどです。特に、キャンペーン価格が適用される条件や回数券の有効期限など、重要な情報が契約時に明確に説明されていないケースが多く見られます。

脱毛サロン側は、このようなトラブルを防ぐためにも、以下の2つを意識しましょう。

  • 顧客が求める情報で開示可能なものは全て提示する
  • 同意をもらった証拠を残す

顧客が求める情報で開示可能なものは全て提示する

顧客が安心して契約できるよう、料金プランや施術内容、解約条件など必要な情報は全て開示することが重要です。特に注意すべきは、追加料金が発生する可能性がある項目や、キャンペーン適用条件の詳細です。

また、支払い方法や分割払いの際の手数料なども、具体的な数字を示しながら説明しましょう。見積書や料金表なども、分かりやすく作成して提示することで、後々のトラブルを防げます。

同意をもらった証拠を残す

契約時には、必ず書面での同意を取るのが重要です。説明した内容や確認事項について、チェックリストを作成し、顧客にチェックを入れてもらいましょう。

また、重要事項については口頭での説明だけでなく、説明を受けた証明として署名をもらうことで、後のトラブルを防げます。デジタル化が進む現在では、タブレットなどを使用した電子署名システムの導入も効果的です。

脱毛サロンの予約関連のトラブル

「希望の日時に予約が取れない」「キャンセル待ちが長期化する」といった顧客の不満は、継続的な通院が必要な脱毛サロンにとって致命的な課題となるでしょう。

また、予約変更やキャンセルに関するルールが不明確な場合も、トラブルの原因となります。このような、脱毛サロンの予約関連のトラブルを防ぐためにも、以下の2つを実践してみてください。

  • 顧客が予約を取りやすい環境を作る
  • 1日に受け入れられる予約枠を増やす

顧客が予約を取りやすい環境を作る

脱毛サロンにおける予約の取りやすさは、顧客の満足度に大きく関わります。そのため、電話受付だけでなく、24時間対応のオンライン予約システムの導入やLINEなどのSNSを活用した予約受付など顧客が取りやすい環境を作りましょう。

また、予約変更やキャンセルのルールも明確に定め、条件がある場合はその内容も事前に説明しておくことでトラブルを防げます。

1日に受け入れられる予約枠を増やす

顧客が予約を取りやすくするためには、可能な限り1日に受けられる予約枠を確保することも重要です。

ただし、施術の質を落とさないよう注意が必要です。繁忙期には臨時スタッフを配置したり、営業時間を延長したりするなど、柔軟な対応を心がけましょう。

また、キャンセル待ちの管理を徹底し、空き枠が出た際には速やかに案内できる体制を整えることも大切です。

施術後のお肌トラブル

施術後に発生するお肌トラブルは、脱毛サロンにおいて最も深刻な問題の一つです。脱毛サロン側の対応が誤っていると、赤みやかゆみ、やけどなどさまざまな症状が顧客の肌に現われる可能性があります。

特に脱毛が初めての顧客の場合、顧客自身が自分の肌質や反応を把握していないため、より慎重な対応が必要です。施術後のお肌トラブルを防ぐためにも、以下のポイントを意識しましょう。

  • カウンセリングで肌の状態・アレルギーなどを十分に確認する
  • 施術前後のケアを丁寧に行う

カウンセリングで肌の状態・アレルギーなどを十分に確認する

肌トラブルを防ぐためには、初回カウンセリングで顧客の肌の状態や過去のアレルギー歴、既往歴などの確認が重要です。

また、本格的に施術をする前にパッチテストを実施し、顧客の肌が脱毛機器に適しているかどうかを判断するのもおすすめです。

特に注意が必要な症状や条件がある場合は、医師との連携も検討しましょう。これらの情報は必ず記録として残し、スタッフ間での共有が大切です。

施術前後のケアを丁寧に行う

施術前には、肌の状態を入念にチェックし、クーリングなどの処置を行いましょう。施術後は、適切なアフターケア用品を使用し、肌の保護が重要です。

また、顧客には施術後の注意事項(日光浴を避ける、刺激の強い化粧品を使用しないなど)を具体的に説明し、異常が発生した場合の対処法も併せて伝えましょう。

施術後のアフターカウンセリングのコツなどは、以下の記事で紹介しています。

参考記事:脱毛サロンのカウンセリングのコツ10選!集客成功のポイントを解説

脱毛の効果関連のトラブル

脱毛の効果関連のトラブル

「思ったほど効果が感じられない」「部分的に毛が残る」といった効果に関する不満も、トラブルの原因になりかねません。脱毛効果は個人差が大きく、また完全な永久脱毛を実現することは困難です。

そのため、契約前の適切な説明と、施術中の丁寧な対応が不可欠となります。具体的には、以下の2つを心がけましょう。

  • 契約前に効果が出るまで時間がかかることを伝える
  • 照射漏れがないように丁寧な施術を意識する

契約前に効果が出るまで時間がかかることを伝える

脱毛効果は、毛周期や個人の体質によって大きく異なることを、契約前に丁寧に説明する必要があります。通常、目に見える効果が実感できるまでには数回の施術が必要であり、完了までには1年以上かかる場合もあることを伝えましょう。

また、生活習慣や体調によって効果に差が出る可能性があることも説明し、お客様の理解を得ることが重要です。

照射漏れがないように丁寧な施術を意識する

効果を最大限引き出すためには、施術範囲を漏れなくカバーすることが重要です。施術前には範囲を明確にマーキングし、マニュアル化された手順で施術を進めることで、照射漏れを防げます。

また、お客様の体型や姿勢に合わせて適切な照射位置を選び、必要に応じて複数回に分けて丁寧に施術するのも大切です。

脱毛サロンでトラブルが起こった際の対処法

脱毛サロンでトラブルが起こった際の対処法

トラブルが発生した場合、信頼を回復させるためには、迅速かつ適切な対応が求められます。初期対応の遅れや不適切な対応は、お客様の不信感を増大させ、問題を深刻化させる原因になりかねません

そのため、万が一トラブルが起こってしまった場合は、以下の対処法を実践してください。

  • 顧客の状況・要望を丁寧に聞き取る
  • 脱毛サロン側に過失があるか正確に判断する

顧客の状況・要望を丁寧に聞き取る

トラブルが発生した際は、まず顧客の話に真摯に耳を傾けることが重要です。問題の経緯や具体的な状況、顧客の要望を詳しく聞き取りましょう。この際、顧客の感情的な部分にも配慮しながら、冷静かつ丁寧な対応を心がけましょう。

また、問題解決までの見通しや対応方針についても、できるだけ具体的に説明することも大切です。説明する際は、感情的にならず、顧客に寄り添って柔らかい口調での説明を意識しましょう。

脱毛サロン側に過失があるか正確に判断する

顧客の状況・要望を聞き取ったら、トラブルの原因を客観的に分析し、サロン側に過失があるかどうかを正確に判断することが重要です。施術記録やカウンセリング時の記録、同意書なども確認し、事実関係を明確にしましょう。

過失が認められる場合は、誠実に謝罪し、適切な対応(返金や無料施術の提供など)を検討してください。また、必要に応じて弁護士に相談するなど、慎重な対応を心がけることも大切です。

トラブルに備えるなら脱毛サロン向けの保険がおすすめ

トラブルに備えるなら脱毛サロン向けの保険がおすすめ

脱毛サロンの経営において、さまざまなトラブルや事故のリスクに備えることは非常に重要です。特に、お客様の安全や財物に関わるトラブルは、経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、万が一のトラブルに備えたい方は、保険への加入をおすすめします。

主要な保険として、施設所有者賠償責任保険・生産物賠償責任保険・受託者賠償責任保険の3つがあります。それぞれについて解説します。

施設所有(管理)者賠償責任保険

施設所有者賠償責任保険は、サロン内で発生する事故や怪我に対する補償を提供する保険です。例えば、施術によるやけどや施術ベッドからの転落事故、設備の不具合による事故など施設の管理・運営に起因する事故に対する損害賠償を補ってくれます。

この保険は、施設運営の基本的なリスクを幅広くカバーするため、脱毛サロン経営において必須の保険と言えるでしょう。

生産物賠償責任保険(PL補償)

生産物賠償責任保険は、販売した商品による事故やトラブルに対する補償を提供します。サロンによっては、自店舗で保湿アイテムや家庭用脱毛器の販売を検討しているところもあるかと思います。

これらの商品で万が一お客様に損害が発生した場合、賠償金を補償してくれます。。近年の美容トラブルへの意識の高まりからも、重要性が増している保険です。

受託者賠償責任保険

受託者賠償責任保険は、お客様から預かった所持品や貴重品の損害に対する補償を提供する保険です。脱毛サロンでは、施術時に衣服や貴重品をお預かりすることが多いため、盗難や破損などのリスクに備える必要があります。

例えば、ロッカーでの保管中の盗難、スタッフの取り扱い不注意による破損、施術中の所持品の損傷などが補償対象となります。お客様との信頼関係を守り、安心してサービスを利用していただくために、重要な役割を果たす保険です。

顧客目線の運営を徹底すればトラブルは回避できる!

顧客目線の運営を徹底すればトラブルは回避できる!

ここまで脱毛サロンで起こり得るトラブル事例と防止策を紹介しましたが、脱毛サロンでのトラブルの多くは、顧客目線に立った運営を徹底することで防げます。

今回紹介した漏れのない説明と情報開示、丁寧なカウンセリングや施術、適切なアフターケアなどは顧客目線で運営できていれば実践できるはずです。

また、定期的なスタッフ研修やマニュアルの更新、顧客アンケートの実施などを基にした継続的な改善活動も欠かせません。トラブルを完全に防ぐことは困難ですが、顧客に寄り添った運営をすることで、新規顧客やリピーターの獲得に繋がります。

CUBE DUO/PROなら運営のアドバイスがもらえる

CUBE DUO/PROなら運営のアドバイスがもらえる

ここまで脱毛サロンで起こり得るトラブルの事例や、トラブルが起こってしまった場合の対処法を解説しました。あわせて、トラブルを回避するためのコツも紹介しましたが、自店舗で徹底できるか不安な方も多いはず。

そんな方は、CUBE DUO/PROの運営サポートの利用がおすすめです。サロン経営において起こり得るトラブルについて、電話やメール、公式LINEなどで相談が可能です。興味のある人はぜひ、CUBE DUO/PROのサポート利用を検討してみてください。

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