エステサロンの開業資金はいくら?内訳やおすすめの調達方法を解説
脱毛サロン

「エステサロンの開業に必要な資金は?」
「開業資金を抑えるためのコツはないの?」
このように思っていませんか。
特に開業資金が限られている方は、なるべく資金を抑えて開業したいと思っているはず。
この記事では、エステサロンの開業に必要な資金を経営スタイル別に紹介します。あわせて、開業資金を抑えるコツや開業を成功させるためのポイントも解説します。エステサロンを開業する方は、ぜひ参考にしてください。
目次
この記事の監修者

広田 有利(ヒロタ アリトシ)
美容機器の製造・販売会社「株式会社エクレーヌ」代表取締役。業界最大手脱毛サロンの全店舗や、全国の大手サロンから個人サロンにまで幅広く脱毛機を導入。脱毛サロン運営のサポートも実施している。クライアントは1000社以上・販売台数は2500台以上の実績がある。
SNSエステサロンの開業資金はどれくらい必要?

まずは、エステサロンの経営スタイル別に必要な開業資金を紹介します。エステサロンを開業する場合、主に以下の3つの経営スタイルがあります。
- 自宅サロン
- マンションサロン
- テナントサロン
それぞれに必要な開業資金を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
自宅サロンの開業資金
自宅サロンは最も低コストで開業できる形態で、必要な開業資金は約30万円〜です。資金の内訳は、以下のとおりです。

自宅サロンの場合、既存の住居スペースを活用するため内装工事費を大幅に抑えられるのが最大のメリットです。主な費用は、器具・家具代や消耗品・備品代になるでしょう。
さらに、自宅サロンは家賃や光熱費が事業と生活で按分できるため、ランニングコストを抑えられる利点もあります。ただし、プライベート空間との区別や近隣への配慮など、自宅ならではの課題もあることを念頭に置いておきましょう。
マンションサロンの開業資金
マンションでサロンを開業する場合、必要な開業資金は120万円〜です。資金の内訳は、以下のとおりです。

マンションサロンは、自宅サロンにはなかった契約費用がかかる分、開業資金が膨らみます。一方で、マンションサロンは自宅サロンよりも客観的な店舗イメージを作りやすく、プライベートとの境界線も明確です。
また、住宅地にあることが多いため、地域に根ざした顧客獲得がしやすいメリットもあります。ただし、管理規約で営業が制限される場合や防音対策が必要なケースもあるため、契約前に確認が不可欠です。
さらに、家賃などの固定費が発生するため、自宅サロンよりもある程度の集客が必要になることも考慮しましょう。
テナントサロンの開業資金
テナントでサロンを開業する場合、必要な開業資金は350万円〜です。資金の内訳は、以下のとおりです。

テナントサロンは商業施設や繁華街など人通りの多い場所に出店できるため、集客の可能性が高いメリットがあります。一方で、初期投資が大きく、安定した売上を確保するための戦略が不可欠です。
具体的には、テナントサロンを開業する場合、物件の契約費用や内装工事代、家賃などに大きな資金が必要です。加えて、テナントのような大きな規模の店舗を一人で運営することは困難であるため、人を雇う人件費などの運転資金も発生するでしょう。
そのため、個人で開業するなら、まずは自宅かマンションでの開業がおすすめです。
エステサロンの開業時にかかる費用の内訳

経営スタイル別に必要な開業資金を紹介した際に触れましたが、エステサロンの開業時には以下の費用が発生します。
- 内装工事
- 業務用脱毛機
- 消耗品・備品
- オンライン予約システム
- 宣伝・広告
それぞれの費用の概要を紹介します。
内装工事
内装工事には、主に以下の内容が含まれます。
- 壁紙・床材の張替え
- 照明設備の設置
- 水回りの改修
- 防音対策
エステサロンを開業する際は、顧客に心地よい印象を与える内装づくりが重要である一方、高級感を追求するあまり過剰な投資をしないよう注意が必要です。
デザイナーに依頼する場合はさらに費用がかさむため、セルフデザインやリーズナブルな内装業者の利用、中古物件の活用などで費用を抑える工夫も検討しましょう。また、将来の移転やリニューアルを考慮して、過度に固定的な設備投資は避けることも賢明です。
業務用脱毛機
業務用脱毛機は、エステサロン開業における最も高額な設備投資の一つです。新品の業務用脱毛機は性能やメーカーによって価格差が大きく、100万円〜500万円以上するものもあります。
高額な投資となるため、購入前にメーカーのデモンストレーションを受けたり、使用感やメンテナンス費用なども含めて総合的に検討することが重要です。
また、費用を抑えたいなら、中古機器の購入やレンタル・リースという選択肢もあります。特に開業初期は顧客数が限られるため、リースで始めて売上に応じて買い取るという段階的な投資方法も検討する価値があるでしょう。
業務用脱毛機の種類や選び方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
参考記事:【2025年最新版】業務用脱毛機の選び方は?種類や8つのポイント、おすすめ脱毛機を紹介
消耗品・備品

エステサロン開業時に必要な消耗品・備品は、以下のとおりです。
- 施術ベッド
- 脱毛ジェル
- シェーバー
- クリーンシステム
- タオル
- ゴーグル
- シーツ
- ガウン
- ペーパーショーツ
- 荷物置き
- スリッパ
- アフターケア用品
- マスク・アルコール消毒
これらは直接お客様へのサービス品質に関わるため、特にタオルやリネン類は質の良いものを選ぶことをおすすめします。ただし、開業時にすべてを新品で揃える必要はなく、優先順位をつけて段階的に充実させていく方法も賢明です。
脱毛サロンの開業に必要なものは、以下の記事で紹介されているので、詳細はぜひこちらを確認してみてください。
参考記事:脱毛サロンの開業に必要なものをすべて紹介!開業資金や資格も解説
オンライン予約システム
近年はオンライン型の予約システムが主流となっており、これから開業するなら必須の投資と言えます。予約システムを選ぶ際のポイントは、操作性の良さや顧客データ管理機能、リマインドメール自動送信機能などです。
特に開業初期は24時間予約受付が可能なシステムがあると、営業時間外でも予約を逃さず集客につながります。また、顧客管理と連携したシステムを選ぶことで、来店履歴や好みなどを記録し、パーソナライズされたサービス提供が可能になります。
費用対効果を考慮しつつ、サロンの規模や必要機能に合わせて適切なシステムを選択することが重要です。
宣伝・広告
エステサロン開業時の主な宣伝方法としては、サロン専用のWeb制作や各種予約サイトへの掲載、SNS広告などがあります。開業時は特に認知度を高めるために、一定の広告投資が必要ですが、効果測定を行いながら最適な手段を見極めることが重要です。
特に費用対効果が高いのは、エステ予約サイトへの掲載やSNSを活用した情報発信です。また、オープン記念キャンペーンの実施も新規顧客獲得に効果的でしょう。
広告費は継続的にかかる費用であるため、初期投資だけでなく、月々のランニングコストとしても計画に組み込むことが大切です。
エステサロンの開業資金の調達方法

エステサロンの開業資金を調達する方法には、主に以下の4つがあります。
- 貯蓄を使う
- クラウドファンディングを活用する
- 融資を利用する
- 補助金・助成金を利用する
それぞれ解説するので、自分に合った調達方法を見つけてみてください。
貯蓄を使う
自己資金(貯蓄)を活用することは、エステサロン開業における最も基本的な資金調達の方法です。自己資金を使うメリットは、借入がないため返済義務がなく、金利負担がないことです。また、融資審査に頼らず自分のペースで開業準備を進められる自由度の高さもあります。
ただし、すべての貯蓄を投入するのではなく、開業後の運転資金や予想外の出費に備えて、ある程度の手元資金(最低でも3ヶ月分の生活費と固定費)は残しておくことが重要です。
また、家族の理解と協力も不可欠です。特に自宅サロンの場合は、生活空間と事業空間の区分けを明確にし、家族のライフスタイルへの影響も考慮した上で資金計画を立てましょう。
クラウドファンディングを活用する
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を調達する方法で、エステサロン開業の新たな選択肢として活用されるケースもあります。
主なメリットは、銀行融資のような厳格な審査がなく、自己資金が少なくても挑戦できることです。さらに、支援者が同時に潜在顧客になる可能性がある点もメリットのひとつです。
エステサロンの場合、施術体験やオリジナル商品をリターンとして設定することで、開業前から顧客獲得につなげられます。サロンのコンセプトや想いを魅力的に伝えるストーリー性と、支援したくなるような魅力的なリターンを設定して支援を募りましょう。
融資を利用する

エステサロン開業のための融資には、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や、「女性、若者/シニア起業家支援資金」、民間銀行の創業融資、信用保証協会の保証付き融資などがあります。
融資を受けるためには、具体的な事業計画書や収支計画、資金計画などの準備が必要です。
また、融資審査のポイントは、事業の実現可能性や収益性、そして返済能力です。
融資を受けるためにも、申し込み際はサロンのコンセプトや差別化戦略、ターゲット顧客、具体的な集客計画などを明確に示しましょう。
補助金・助成金を利用する
エステサロン開業時に活用できる補助金・助成金には、国や地方自治体が実施する「創業補助金」や「小規模事業者持続化補助金」、各自治体独自の創業支援助成金などがあります。
助成金は要件を満たしていれば受給でき、補助金は審査に通らなければ受給されないのが大きな違いです。また、利用する補助金・助成金によっては、申請条件や対象経費が限定されていることや、交付までに時間がかかる点に注意が必要です。
また、多くの補助金は後払いとなるため、いったん自己資金で支払う必要があることも理解しておきましょう。なお、おすすめの補助金・助成金は以下でも紹介しているので、ぜひあわせて確認してみてください。
参考記事:【2025年最新】エステサロン経営に使える補助金・助成金を紹介!
エステサロンの開業資金を抑えるコツ

エステサロンの開業資金を抑えたい方は、以下の3つのコツを意識しましょう。
- 開業場所・スタイルを見直す
- 無料の集客方法を活用する
- 業務用脱毛機をレンタル・リースで利用する
特に用意できる資金が限られている方は、可能な限り運営にリソースを割くためにも、開業資金を抑えるコツを把握しておきましょう。
開業場所・スタイルを見直す
エステサロンの開業資金を大幅に抑えるためには、開業場所やスタイルの選択が重要です。最も初期投資を抑えられるのは自宅サロンで、家賃が発生せず内装工事も最小限に抑えられるため、100万円程度からスタートできます。
次に、シェアサロンの一室を間借りする方法も効果的です。月額5〜15万円程度の賃料で、設備や受付を共有できるため、単独開業より大幅にコスト削減が可能です。
さらに、平日のみの営業や予約制の完全個室サロンなど、営業スタイルを工夫することで、必要な設備や人員を最小限に抑えられます。将来的な事業拡大も視野に入れ、段階的に規模を拡大していく計画を立てることで、リスクを最小限に抑えながら運営できるでしょう。
無料の集客方法を活用する
開業資金を抑えるために効果的なのが、無料または低コストの集客方法の活用です。おすすめの集客方法は、以下のとおりです。
- InstagramやTikTokなどのSNS
- ホームページやブログのSEO対策
- GoogleマップでMEO対策
- LINEやメール配信
- フリーペーパーへの掲載
最も費用対効果が高いのはSNSマーケティングです。InstagramやFacebookなどのSNSアカウントを開設し、施術前後の写真やサロンの雰囲気、顧客の声などを定期的に投稿することで認知度と信頼度を高められます。
また、GoogleマップでのMEO対策も無料で行えて、地域検索での露出につながります。口コミ効果を最大化するために、初回来店者や紹介者への特典を用意するのも効果的でしょう。おすすめの集客方法の詳細は以下で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:【2025年最新版】脱毛サロンにおすすめの集客方法10選!集客を成功させるポイントも
業務用脱毛機をレンタル・リースで利用する
業務用脱毛機はものによっては数百万円と高額なため、購入ではなくレンタルやリースを活用することで、初期投資を大幅に抑えることができます。
また、機器のメンテナンスやサポートがパッケージに含まれていることが多く、故障時のリスクが軽減されることもメリットのひとつです。
さらに、技術の進化が早い脱毛機を、定期的に最新モデルにアップデートできる点も魅力です。特に開業初期は顧客数が限られるため、機器の稼働率が低くなりがちですが、レンタル・リースであれば固定費を抑えながら高性能な機器を導入できます。
業務用脱毛機の導入手順などは以下の記事で解説されているので、ぜひあわせて参考にしてください。
エステサロンの開業を成功させるためのポイント
エステサロンの開業を成功させるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 資格を取得する
- コンセプト・ターゲットを明確にする
- 効果的な集客方法を実践する
これらのポイントを実施することで、安定した経営基盤の構築につながります。それぞれについて解説します。
資格を取得する
エステサロン開業に必須の国家資格はありませんが、専門的な資格を取得することは技術力の証明になるだけでなく、顧客からの信頼獲得にも大きく貢献します。
おすすめの資格としては、日本エステティック協会の「AJESTHE認定エステティシャン」や「AEA認定エステティシャン」などがあります。また、脱毛サロンを開業する場合は「認定脱毛士」などの資格も有効です。
脱毛サロンの経営におすすめの資格は以下で紹介されているので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:脱毛サロン経営に資格は必要?おすすめの資格7選と開業時の流れも紹介
コンセプト・ターゲットを明確にする
エステサロン開業で成功するためには、明確なコンセプトとターゲット設定が不可欠です。コンセプトとは、サロンの存在意義や提供価値を表現したもので、「忙しい働く女性のための美肌ケア」「男性専門の美容脱毛サロン」といった独自性と具体性が重要です。
ターゲット設定では、年齢や性別、ライフスタイルなどを具体的に想定しましょう。コンセプトとターゲットが明確になると、内装やメニュー構成、価格設定などすべての事業判断の基準になります。
なお、コンセプトは一度決めたら変えられないものではなく、顧客の反応や市場の変化に応じて柔軟に進化させていくことも大切です。
効果的な集客方法を実践する
エステサロン開業時の効果的な集客方法には、オンラインとオフラインの両面からのアプローチが重要です。オンライン集客では、自社ホームページの開設やInstagram・FacebookなどのSNS運用、エステ専門予約サイトへの掲載などが効果的です。
特に開業初期はオープン特別価格の設定や、お試しキャンペーンなどで新規顧客の心理的ハードルを下げることが重要です。また、既存顧客の定着と紹介促進のために、会員制度や紹介特典の導入も有効でしょう。
オフライン集客では、サロン周辺へのポスティングやチラシ配布、近隣店舗との相互紹介なども効果的です。このような複数の集客チャネルを組み合わせることでリスク分散になり、安定した集客が可能になるでしょう。
エステサロンの開業に関するよくある質問

最後に、エステサロンの開業に関するよくある質問を紹介します。
- エステサロンの開業で失敗する要因は?
- エステサロン経営者の年収は?
どちらもエステサロンの経営者が抱えがちな疑問なので、ぜひ最後までご覧ください。
エステサロンの開業で失敗する要因は?
エステサロンの開業で失敗する要因として、以下の8つが挙げられます。
- 業務用脱毛機の選定ミス
- 不十分な集客戦略
- 安すぎる価格設定
- 運転資金不足
- 競合との差別化不足
- スタッフの離職・教育不足
- 経営者の知識不足
特に知っておきたいエステサロンの開業で失敗する最大の要因は、資金計画の甘さです。初期投資だけでなく、軌道に乗るまでの運転資金を十分に確保できていないケースが多く見られます。
例えば、内装工事費や高額な施術機器の購入に予算を使い過ぎ、その後の広告宣伝費が不足するといった失敗パターンが典型的です。
次に多いのが、市場調査不足による立地選定ミスです。周辺の競合状況や通行量、ターゲット層の居住状況などをしっかり分析せずに出店すると、集客に苦戦することになります。
これらの問題を回避するためには、開業前の入念な準備と、最低でも半年分の運転資金を確保することが重要です。エステサロンと同じ美容サービスを提供する脱毛サロンの開業失敗例は以下で紹介してるため、ぜひ参考にしてください。
参考記事:脱毛サロンの開業失敗例8選|未経験でも成功させるための7つのポイント
エステサロン経営者の年収は?
エステサロン経営者の年収は、立地条件やサロンの規模、提供するサービス内容によって大きく異なります。新規開業から1〜2年目は、投資回収期間として月収20万円程度にとどまるケースが多いのが現実です。
しかし、軌道に乗ったサロンなら、年収300〜500万円が平均的な水準となります。特に差別化に成功し、固定客を多く抱えるサロンでは、年収700万円以上も十分可能です。
安定した収入を得るには、商品販売やコースメニューの提案など、客単価を上げる工夫や顧客満足度を高めてリピート率を向上させる取り組みが重要です。経営が軌道に乗るまでの資金計画も慎重に行いましょう。
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